レーベルに思う。

レーベルってなんだろう。

私が生まれる前、レコードが主流だった時代は文字通りラベルのシールにプリントされた音楽制作会社のことだったのだろう。

個人が何枚もレコードをプレスしてレコードショップに自分の作品を並べてもらって、なんてことが現実的ではなかった時代、レーベルという組織はアーティストが制作に集中するため絶対必要なものであっただろうと思う。動くお金も決して小さくはなかっただろうし、レーベルから出すということ自体が一つの偉業でもあったわけだ。

そして私が音楽を始めたあたりでは自主レーベルやインディーレーベルなんてものがいっぱいあって「個人で運営しているようで実はメジャーの傘下、だけれど所属は1アーティストだけ」なんていうややこしい図式も目についた。

音楽の媒体がレコードからカセット、CDへと変化するにつれ、大きな組織でないと難しかったレーベルという活動がどんどんコンパクトなものになっていったのだろう。そんな多種多様、大小様々なレーベルにあふれていた時代を見ていたからか未だに私はレーベルというものがなんなのかふんわりとしかわかっていない。

そしてインターネットが発達した現在。音楽を制作し流通させることもインターネットで世界に向けて配信することも、なんなら広報やプロモーションまでも個人でできる時代。ラベルを貼ろうにもラベルを貼るべきレコードもCDもない時代。

今の時代レーベルとはなんの意味があるのだろうか。

別にレコード時代のレーベルの形に戻れ!と言いたいわけでは決してない。むしろ逆だ。

もともとただ一回演奏される空気の振動だった音楽。それがテクノロジーの芽生により録音され商品という形を与えられ現世に舞い降りた。そんな音楽が十分に発達したテクノロジーの力を借り体を捨てて空へ昇っていく。私が思い描くのはそんな自由なイメージだ。

では果たしてレーベルは天に昇る音楽に置いていかれたのだろうか。商品という重さに縛られたままなのだろうか。

いやいや今でも新しいレーベルは日々生まれているし、レーベル単位での視聴の喜びや発見はストリーミングサービスのおかげで増すばかり。昔よりレーベルという言葉は市民権を得ているようにも思えるし今更レーベルとはなんぞやと知識も乏しい個人が考える必要はない。

ないのだが、それでも考えなくていいことを日夜悶々と考えた。

レーベルとはなんなのだろう。

時代が変わっても個人ではなくレーベルを名乗った時頭に浮かぶのは集合体だ。自分は一人ではないという表明だ。(自主レーベルという形態があるので言い切っていいのかとても悩ましいのだけれど、少なくとも私はそう考えた。)

一人でなんでもできる世の中だけれど、人と何かをすることだけはどう頑張ったって一人ではできない。

当たり前なのだけど、レーベルというのはそもそもそういうことなのかと思ったのだ。

個人ではできないこと、集団だからできること。単なるラベル貼りに止まらない、人と人とを繋げるもの。

だから私はこのサイトを作った。

リリースと所属アーティストを並べただけのサイトではなく、テーマパークのような、ショーケースのような。もっといろんな文化が混在することができる場所を作り提供したいと思った。いい意味でのカオスを作れる場所としてレーベルが機能すればいいと思ったのだ。

人と何かをするのはとても難しいし、使う体力も一人の時の比ではない。

でも人は集まって生きてきたと私は思っている。色々あってもやっぱり集まるのは楽しい。人が集まるから生まれるものがある。テクノロジーの推進力を借り音楽と手を取って、今ならそれくらいシンプルな動機に立ち戻れるんじゃないかと思ったのだ。

私たちのレーベルは年齢も言語もルーツもごちゃ混ぜだ。それでいい。

だからこそもっともっと面白いことはできるはず。

ここに来れば面白いこと、興味を刺激されることがある、そして語り合える誰かがいる。そんな場所を作れればいいなと思います。

だから皆さん、一緒にこれからよろしくお願いします。

Eulalie

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